兵庫県内医療機関9割患者減 収支悪化、資産崩し対応も


兵庫県内の診療所や病院の約9割で、4月の患者数と収入が前年同月より減ったことが17日、新型コロナウイルスの影響に関するアンケートで分かった。兵庫県保険医協会(神戸市中央区)が調査。内部留保や個人資産の取り崩しで収支悪化に対応しているという。(井川朋宏)アンケートは5月25日~6月1日に、同協会会員の県内医療機関計4834カ所を対象に実施。病院51▽歯科診療所177▽歯科以外の診療所647-など計878カ所(回答率18・2%)が答えた。調査によると、4月の運営状況について、病院と診療所の9割前後が、前年同月より「患者数が減った」と答えた。「収入が減った」との回答も、全体の9割近くあった。患者、収入の減少率については、ともに平均3割弱だった。特に影響が大きかったのは歯科診療所で、患者数が減少した施設の割合は93・8%。また、2割強が「誹謗(ひぼう)中傷や風評被害があった」といい、「歯科治療をするとコロナにかかると言われた」との例もあった。このため歯科の6割弱が、患者が受診を抑制して歯周炎や虫歯の進行などがあった、と答えた。同協会は、4月上旬に厚生労働省が各自治体へ、歯科診療について「治療の延期も考慮すること」などと連絡したことも影響したとみている。

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