金沢市立病院 診療収入1億6000万円減 4、5月 受診控えなど影響


金沢市立病院(同市平和町)の四、五月の診療収入の合計が、前年同月比で約一億六千万円減少した。十六日の市議会六月定例月議会の一般質問で、市側が明らかにした。新型コロナウイルスの感染者が増加していた時期で受診控えがあったほか、新型コロナの患者を受け入れるため、利用できる一般病床数を減らしたことなどが影響した。(堀井聡子)市立病院の事務局によると、四月の診療収入は入院と外来合わせて二億八千六百万円、前年同月比で八千二百万円減。五月の収入は二億九千六百万円、前年同月比で八千三百万円減で、四、五月ともに前年比で約二割減収した。受診控えのほか、市立病院では四月中旬から人間ドックや健康診断の受け付けも中止していたことも減収につながった。全国で同様の理由から医療機関の減収が起きているが、市立病院は新型コロナの患者を受け入れ、感染症病床を増やしたことも影響した。市立病院の全病床数三百六床のうち、一般病床は二百七十五床、結核病床二十五床、感染症病床は六床。しかし新型コロナの感染者増加を受け、一般の十三床と結核の九床を感染症病床に充て、二十八床に増やしている。このため一般病床の看護師を感染症病床に増員し、一般病床の人員が不足。感染症病床に充てた十三床とは別に、人手不足のため三十八床の使用をやめなければならなくなった。減収分の補塡(ほてん)について、山野之義市長は「感染患者を受け入れる医療機関に対し、国が緊急包括支援交付金の創設を検討しているほか、県も独自の協力金の支給を考えている」と答弁し、市独自の補償については明言しなかった。関連キーワード

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