受診患者0.5%に抗体 山形大医学部 1009人検査


山形大医学部(山形市)は15日、山形大病院を1〜4日に受診した1009人を対象に新型コロナウイルス抗体検査を実施した結果、陽性率は0.5%だったと発表した。山形県内の感染者数は多くても県民の1%未満と推定し、感染対策の必要性を強調した。抗体検査結果を発表したのは全国の国立大で初めて。 医学部によると、内訳は陽性が5人、陰性が1004人。検査結果を統計学的に分析すると、県内の感染者数は約670〜1万人と推計される。PCR検査で確認された県内の感染者は69人にとどまっている。 山形大病院の森兼啓太感染制御部長は「多くの県民が免疫を持っていないと推定され、感染対策が重要だ」と意義を強調した。一方、県人口(約107万)に対して検査対象数が大幅に少なく、感染者数の推計で数値幅が大きくなるなど調査には限界があると説明した。検査を受けたのは高齢者が多いとみられ、県の年齢構成も反映していない。 抗体検査は、肝機能や腎機能などの検査で採血を受けた外来患者のうち、余った血清の利用が可能な人を対象に本人の同意を得て実施。検体と患者の行動歴などは結び付けず、本人にも結果を通知していない。 医学部は今後、厚生労働省が宮城県などで行っている抗体検査の結果などと比較分析するほか、第2波到来時の抗体検査の再実施も検討している。

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