群馬県の桐生大(山崎純一学長)は医療保健学部の助産師養成課程を大幅に見直し、2023年度に看護学科のカリキュラムに新たに助産師の養成課程を加えて4年間で看護師と助産師の両方の国家資格を目指せる体制にする。これに伴い、現在は4年間で看護師資格を取得後に進学して助産師を目指す別科助産専攻(1年制)の募集を22年度限りとして廃止する方針。1~3年生は別科助産専攻に進めず、新カリキュラムも対象外となり助産師を目指すことができなくなるため、学生や保護者に動揺が広がっている。 看護学科1~3年生を対象に4月15日開かれたオリエンテーリングで山崎学長が明らかにした。22日に同大ホームページ(HP)で「助産師養成課程再編成等について」と題して公表、保護者向けには同様の文書を郵送した。 23年度開始を目指す看護学科新カリキュラムは、同年度以降の入学者を対象とする。助産師課程が設けられるのは新入生が4年次となる26年度からで、現1~3年生は助産師課程を受けられない。 別科助産専攻は01年に開設し、定員18人。本年度は同大看護学科の卒業生4人が進学。ここ数年間は卒業生の進学は2~4人で推移している。廃止方針について、同大の菊地望事務長は「これまで5年かかっていた看護師と助産師双方の資格が4年間で取れるようになり、学生側の負担が少なくなる。持続可能な発展を追求した判断」と説明する。(和田吉浩)