緊急性低い患者は病院救急車が搬送 消防負担軽減へ 北九州の2院


 北九州市立八幡病院(八幡東区)と北九州総合病院(小倉北区)は16日、病院が所有する救急車を緊急性の低い患者の搬送に活用するモデル事業を始めた。病院の救急救命士が救急車に同乗し、医師の助言の元で脈拍や血圧測定など一定の医療行為も行う。救急搬送を担ってきた消防機関の負担を軽減する狙いがある。

 診療所や高齢者施設の医師や看護師からの要請を受け、両病院や医師らが指定した病院に搬送する。両病院が1台ずつを使い、市西部を八幡病院、東部を北九州総合病院が管轄する。

 両病院の救急車は、医師が同乗したドクターカーの派遣や災害派遣に利用機会が限られていた。今回、国と県のモデル事業を八幡病院が受託し、北九州総合病院や市医師会が協力して実施。来年2月末まで成果や課題を検証する。

 八幡病院の伊藤重彦院長は「消防の救急車に代わる新たな搬送手段になれば」。市医師会の穴井堅能会長は「かかりつけ医にとって、(緊急性の低い患者を)どうやって搬送するかは悩ましく、病院の救急車の活用は非常にありがたい」と話した。 (山下航)

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