光学技術でコロナウイルス検出 徳島大、数年内の商品化目指す


徳島大ポストLEDフォトニクス研究所と大学院医歯薬学研究部は、簡便で迅速な新型コロナウイルスの検出法を開発したと発表した。光学技術を使ってウイルスのリボ核酸(RNA)の存在を把握する手法。結果判定まで20分程度と、PCR検査の5~6時間から大幅に短縮できる。研究グループは「速やかな診断が可能になり、新型コロナの感染拡大抑制への貢献が期待できる」としている。新たな検出法は、金属に特殊な光を当てて金属内の電子が振動する現象「表面プラズモン共鳴」を基にした光学技術を活用。金属の表面に生体液を薄めた溶液を置いて裏から光を当て、新型コロナウイルスのRNAが含まれる場合の特徴的な反応を判別できるようにした。国立研究開発法人・日本医療研究開発機構(東京)に採択された事業の一環で、昨年6月から研究を進めてきた。試行錯誤を繰り返し、金属に当てる光を可視光から近赤外線に変えたり、溶液にナノサイズの金の粒子を加えたりしてウイルス検出の精度を高めた。数年内の商品化を目指す予定で、研究メンバーの加治佐平客員准教授(42)は「新しい検出法なら変異株も見つけられる。企業などと連携して早期の実用化を目指したい」と話している。

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