大分大が新学科構想 医療技術者を養成へ


 大分大(大分市)は30日、医療系技術者の養成に特化した「メディカル・イノベーション学科」(仮称)を2023年4月に医学部に設置する構想を明らかにした。新型コロナウイルス感染拡大で、PCR検査や重症者に有効なエクモの技術者不足が露呈。北野正剛学長は「高度な医療技術を持つ人材を育てたい」としている。

 構想では、遺伝子解析や医療工学などを学び、臨床検査技師や臨床工学技士を目指す2コースに加え、医療機関の経営学を学ぶコースも新学科に設置する。定員は45人を予定。今後学内で協議を進めていく。

 同大は同日、大分県庁で記者会見を開き、国内のPCR検査数が外国と比較して少ない要因の一つに、検査を実施する臨床検査技師の不足を指摘。また、県内でエクモを運用したことがある臨床工学技士は4月時点で同大勤務の4人しかいなかったという。

 医師でもある北野学長は新学科構想はコロナ禍以前からあったとしつつ、「医療技術者の人材育成が急務だと実感した。地域のニーズに沿った大学改革を進め、課題を解決したい」と強調した。 (岩谷瞬)

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