佐賀県は23日、今月28日から運行開始する消防防災ヘリコプターによる傷病者の搬送や情報収集の訓練を実施した。防災ヘリは救急医療専用のドクターヘリの代替としての活用も想定しており、県医療センター好生館の屋上ヘリポートに離着陸し、傷病者の引き継ぎなどの連携を確認した。好生館では、傷病者に見立てた人形をストレッチャーでヘリに運び、医師への受け渡し手順を確かめた。24日は佐賀大医学部附属病院で訓練する。県は防災ヘリの導入に際し、撮影した映像を受信し、防災行政無線を使って市町や消防本部に配信する装置を新たに導入。屋上ヘリポートも離着陸可能な国の基準を満たす仕様に改修した。この日は、前日夜からの大雨により県東部で水害が発生している想定で、情報収集の訓練を実施した。初めて県庁屋上から防災ヘリが離着陸し、撮影した映像を危機管理センターで受信した。500メートル上空から鮮明な映像が届き、住所も自動で表示され、参加者からは「分かりやすい」との声が上がった。大塚元幸防災対策監は「映像が途切れやすい地形や状況など、飛行して把握できることもある。訓練を重ねてレベルを上げていきたい」と話した。(石黒孝、栗林賢)