周産期センター設置へ 福山市民病院、25〜26年度ごろ


福山市民病院(蔵王町)は、ハイリスクな妊産婦が高度医療を受けられる「総合周産期母子医療センター」の設置を目指す方針を決めた。広島県東部は、県が指定する同センターの空白地域で、手薄な産科医療を充実させる狙い。本館の建て替えに合わせて必要な体制を整え、2025〜26年度ごろの開設を目指す。計画では、指定に必要な新生児集中治療室(NICU)と母体・胎児集中治療室(MFICU)、継続保育室(GCU)の計30床を新設する。本館の建て替えは23年度の着工を予定。現在4人の産婦人科医師と同11人の小児科医師、助産師といった医療スタッフも増やす。同センターは、県内には県立広島病院(広島市南区)と広島市民病院(同市中区)の2カ所にある。県東部にはなく、切迫早産などリスクの高い妊産婦は倉敷中央病院(倉敷市)などに搬送されている。福山市では20年、岡山県に搬送されたケースが27件あった。市は21年度、岡山大大学院に周産期医療学の寄付講座を開設。同大から25年度まで神石高原町を含む福山・府中2次保健医療圏内の医療機関で医師の派遣を受け、センター設置に向けた準備も進める。福山市民病院の高倉範尚・病院事業管理者は、現状では妊娠37週未満の分娩(ぶんべん)に対応できていないとした上で「岡山大と連携し、周産期医療も完結できる体制を整え、地域の安心につなげたい」としている。(門戸隆彦)<クリック>総合周産期母子医療センター 切迫早産や妊娠中毒症、胎児の先天異常などリスクの高い出産に対応し、母子を産前産後にわたってケアする医療施設。都道府県が指定する。母体・胎児集中治療室(MFICU)や新生児集中治療室(NICU)を備え、容体が急変した母子を24時間体制で受け入れる。昨年5月1日現在、中国地方5県の8施設を含め、全国に110カ所ある。【関連記事】

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