大阪府市「国際感染症研究センター」設置へ 科学的対策を提言


大阪府と大阪市、公立大学法人大阪は12日、新型コロナウイルスへの対応力を高めるため「大阪国際感染症研究センター(仮称)」を4月に設置すると発表した。医学や獣医学などの理系分野のほか、経済学や社会心理学といった文系分野も含む横断的な研究を展開。府市が管理するデータの活用も視野に科学的知見に基づく提言を行い、感染症対策と社会経済活動の両立に貢献したい考え。記者会見した吉村洋文知事は「2025年大阪・関西万博を控え、より感染症に強い都市づくりを目指す」と説明。松井一郎市長は「感染症から社会を守る研究を行い、平時も有事も対応できるセンターをつくってほしい」と述べた。センターには、法人が運営する府立大と大阪市立大の研究者が参加し、府市の研究施設「大阪健康安全基盤研究所」とも連携する。感染収束時に情報収集や研究、専門人材の育成に力を入れ、感染拡大期には研究成果を生かし、府市の政策決定を支援する。感染防止のために行動抑制を呼び掛ける際の有効な手法や、経済への影響緩和を探る取り組みも進める。センターは今後、両大学が統合して令和4年度に設置される新大学「大阪公立大」内に移される見込み。会見に同席した法人の西沢良記理事長は「新たな感染症による危機に備える必要がある」と強調。治療薬・機器の開発や未知の病原体をめぐる感染制御手法の確立などに意欲を示した。新たな研究施設の整備や人員規模については今後検討する。

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