藤田医大で医療従事者ワクチン接種訓練 1時間50人可能


藤田医科大病院(愛知県豊明市)は12日、新型コロナウイルスのワクチン集団接種の訓練を同市の大学体育館で実施した。近く始まる予定の医療従事者への先行接種を想定し、1時間50人のペースで接種する流れを確かめた。床面積約1000平方メートルの体育館内を会場とし、医師3人と看護師4人の計7人が予診や接種などを担当。受診者役の病院職員と大学職員計50人は、予診票を記入してから受付に並び、医師による問診、接種、副作用の有無を確かめる経過観察まで順次進んだ。高齢の接種対象者役も参加した1月27日の厚生労働省と川崎市による集団接種訓練では、一部で問診が長引き、受付から接種後の待機エリアに移動するまでの所要時間は13~26分だった。このため今回は、受付に並ぶ前に予診票の記入を求める方法に改め、記入漏れがないか事務員2人が確かめてから問診に臨んだ。接種ブースも川崎の2カ所よりも多い4カ所設置。1人当たりの所要時間は5~13分ほどとなり、経過観察の15分間を含め、1時間50人ペースで接種できることを確認した。密集を避けるため、受診者役は一定の距離を保って問診や接種に進んだ。接種後に強いアレルギー反応が出た人を「ドクターカー」で運び出す訓練も実施した。藤田医科大病院は、ワクチンを保管して1カ所で1000人以上の接種に対応できる「基本型接種施設」の一つ。訓練終了後、湯沢由紀夫病院長は「大きな目詰まりもなくスムーズな訓練ができた」と手応えを語った。発熱など体調不良者を想定した訓練で医師らがかかりきりになり、他の受診者への対応が遅れる場面があった。岩田充永副院長は「本番に向け職員同士の連携を深める必要がある」と話した。受付前の入り口に受診者が滞留して「密」になった点も課題に挙げた。藤田医科大は視察した愛知県や保健所職員、地域の医師会による評価を踏まえて改善策を考える。訓練の様子を動画にまとめ、他の病院や行政と課題を共有する。

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