股関節手術に支援システム導入 患者の負担軽減期待


玉造病院(松江市玉湯町湯町)が、股関節の人工関節置換手術にロボティックアーム(機械腕)の支援システムを導入した。股関節の骨の傷んだ部位を削って人工関節を付ける際に使う。事前に入力したデータに基づいて機械腕を動かすため、必要以上に骨を削るリスクを避けられる。安全性が高まり、患者の負担軽減につながると期待される。股関節の置換手術は、高齢者に多く、関節軟骨が傷ついて痛みが生じる変形性股関節症や、関節に炎症が起こって腫れる関節リウマチなどの患者に行う。同病院では年間約150例実施しており、1月末に中四国地方で初めてシステムを導入し、既に1例目の手術を終えた。支援システムによる手術は保険の適用対象。医療機器メーカー・日本ストライカー(東京都文京区)の「Mako(メイコー)システム」を導入した。医師が機械腕を握って使い、モニター画面を確認しながら、先端に取り付けられた器具で骨を削る。術前にCT(コンピューター断層撮影)検査を行って患者の骨格情報を入力し、3次元的に手術計画を整える。術中、計画外の部位を削りかけたり、削る角度に異常があったりすると自動でロックがかかり、事故を防ぐ。同社によると、患者には術中の出血量減少や術後の痛み軽減、脱臼率の低下といった恩恵が確認されているという。玉造病院では現在、院内で研修した医師4人が担当できる。年間約250例行う膝関節の置換手術にも対応できるよう、年内を目標に準備を進めている。同病院の川合準人工関節センター長(54)は「手術の正確性と安全性をより高めて患者の満足度向上につなげたい」と話す。

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