職員らに滞在先提供 山容病院クラスターで酒田市


院内クラスター(感染者集団)が発生した酒田市の山容病院で、市が院内にとどまざるを得ない状況となっている医療スタッフらの滞在先を用意し、受け入れが始まっていることが8日、市への取材で分かった。このほかにも、同病院を支援する動きが地域内のさまざまな分野で広がっている。PCR検査で陰性が確認された山容病院の職員らの滞在先として、酒田市は宿泊機能のある市内の公共施設を提供し、民間の宿泊施設の一部を借り上げた。職員は同居家族への感染拡大を防ぐため、病院内に寝泊まりするなどの状況が続いていたという。公共施設では7日から職員を受け入れ、大小の計6部屋に10人程度を収容する。市民の利用は同日から休止している。職員が自宅から病院に通う場合は、同居家族を民間の宿泊施設で受け入れる。客室約80室に最大100人ほどが宿泊でき、費用は市が全額負担する。8日から受け入れを開始し、一般客向けの営業も継続している。一方、酒田市議会は同日、感染者や関係者への誹謗(ひぼう)中傷をなくし、共に支え合って感染症克服を目指すとする決議を全会一致で可決した。地元JAと連携、応援の花を贈る市はまた、地元のJAと連携し、山容病院に特産の花を寄贈することを決めた。病院内に飾ってもらう。新型コロナの感染拡大による需要減で市民らに買い支えを受けた生産者らが、今度は支える側に回る。JAそでうらの五十嵐良弥組合長らが8日、市役所を訪れ、これまでの買い支えなどの取り組みに感謝する思いを込めた花かごを市に寄贈。席上、丸山至市長は「いただいた花を含め、山容病院に贈りたい」と提案。五十嵐組合長は「わたしたちも大変な思いをした。ぜひ力になりたい」と快諾した。市は同JAとJA庄内みどりから花を買い足した上で、病院職員への応援メッセージとともに贈る。外来中止受け患者受け入れ-地域内の病院地域内の病院では山容病院の外来中止を受け、同病院を患者受け入れやオンライン診療などでサポートしている。精神科の患者は定期的なカウンセリングが重要で、疾患の種類によっては注射による投薬が必要になる場合もあり、外来の重要性は高いという。関係者の一人は「生活状況など総合的に判断する上では患者の様子を定期的に見る必要がある。できる限り協力したい」と話した。県、庄内へ保健師派遣新型コロナの感染が庄内地域で拡大している事態を受け、県は県所管の各保健所から庄内保健所に対して保健師を派遣している。県OBの1人を含む保健師6人が、感染者の行動履歴調査などに当たっている。庄内地域では鶴岡市内の中学校関連や山容病院(酒田市)の院内クラスターが確認されており、8日には三川病院(三川町)の入院患者3人の感染公表があった。県はこうした状況下で庄内保健所の過重な負担を軽減するため、各保健所の保健師を派遣している。業務は行動歴の聞き取りや保健所業務の補佐で、これまでに最上保健所が11月28日から1人を、村山、置賜の各保健所は12月1日から2人をそれぞれ交代制で送り出している。このほか庄内地域の市町からも保健師を計3人程度、庄内保健所に派遣しているという。県健康福祉企画課は「感染状況次第で、今後も庄内保健所への派遣人数は増える可能性がある。サポート態勢をしっかり整えていく」としている。>>山形新聞トップ >>県内ニュース >> 社会

関連記事

ページ上部へ戻る