脳卒中病床、福井赤十字病院が拡充


新型コロナウイルス感染症の重症患者に対応する集中治療室(ICU)の負担を軽減するとともに、感染拡大時も脳卒中患者の受け入れ態勢を維持するため、福井赤十字病院(福井県福井市)は脳卒中患者の専用病床「脳卒中ケアユニット(SCU)」を拡充する。病床を3床増やし、看護師らの人員も強化。改修工事を進めており、12月23日から稼働する。同病院は、脳卒中の急患を24時間365日受け入れ、血栓溶解療法ができるなどの条件を満たした日本脳卒中学会認定の「1次脳卒中センター(PSC)」の一つ。さらにカテーテルによる血管内治療「機械的血栓回収療法」に常時対応でき、地域の脳卒中患者受け入れの“核”となる「PSCコア施設」にも位置付けられている。脳神経センター内に置いたSCU9床(約130平方メートル)を、11月下旬に着工した改修で計12床(約200平方メートル)に拡張。新たに個室を2室を設け、新型コロナ下の緊急時には脳卒中患者以外にも対応できるHCU(高度治療室)として使用する。SCUには脳神経外科と神経内科の医師計12人が配置されている。病床拡充に伴い、看護師を徐々に増やし50人態勢にする。2019年の同病院のSCU入院患者は約410人で、脳梗塞が約6割を占めた。新型コロナ対応に加え、脳卒中の急患が増える真冬に備えてSCU拡充に踏み切った。脳神経外科代表部長の西村真樹医師は「脳卒中の対応は早期治療が第一。コロナ禍にあってもSCUの機能を維持しなければならない」と強調した上で、「救急隊やリハビリなどを担う医療機関と連携し、情報共有や人材育成などを進めながら体制充実を図っていきたい」と話した。

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