「赤信号」の大阪知事、自衛隊にも看護師派遣を要請へ


大阪府の吉村洋文知事は5日、新型コロナウイルスに感染した重症者向け臨時施設「大阪コロナ重症センター」(大阪市住吉区)で勤務する看護師らを確保するため、自衛隊に派遣要請を行う方向で調整していることを明らかにした。民放番組に出演し「自衛隊とやり取りを始めている。(看護師には)人工呼吸器の管理など技術が必要だ。実務方で調整した上で正式に(看護師の派遣を)要請する」と述べた。府は重症センターに備えた30床を15日から稼働させる予定で、必要な看護師を約130人と想定している。だが、専門スキルを有する看護師の人数が限られる上、府内の重症病床運用率が84・8%(4日時点)と逼迫(ひっぱく)している現状では50人程度の確保にとどまっており、全国知事会と関西広域連合に計40人の派遣を要請している。吉村氏は番組で「(15日に約130人を)満たすことはないと思う」と厳しい認識を示した。一方で「ありとあらゆる手段を尽くし、何とか一床でも多く動かして一人でも多くの命を守りたい」とも強調した。重症センターの看護師確保をめぐっては、自粛要請の基準「大阪モデル」の赤信号点灯を決定した3日の対策本部会議で、府幹部が海外への支援要請を提案している。ある幹部は「南半球のオーストラリアでは感染が収束している。最後の手段として、国内で応援が得られないのであれば海外に応援を求めてはどうか。危機管理として最終の手を打っておくべきだ」とし、感染症対策を担う別の幹部は「日本国内の看護師資格を持っていることが前提になる。集中治療室(ICU)の勤務経験がある人を対象に、お願いできるルートは全てお願いする」とした。これについて吉村氏は3日の対策本部会議で「医療態勢の逼迫は大阪だけの問題ではない。(海外への支援要請は)国で検討すべき内容だ。災害と同じように対処するのはあり得る」と述べ、国に提案するよう幹部に指示した。

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