医療と教育の連携 意義を確認 長野の清泉女学院大で講演会


医療的ケアが必要な障害の重い子どもたちの教育環境の充実に向け、医療と教育の連携について考える講演会が7日、長野市の清泉女学院大で開かれた。学校が対応できず親が付き添って登校する場合もある現状を踏まえ、学校で看護師がケアし、親がいなくても登校できるようにした実践例やその意義を示した。
 学校での看護師活用を推進する活動を県内外で続け、清泉女学院大准教授(小児期看護学)の北村千章さん(57)が理事を務めるNPO法人親子の未来を支える会(千葉県)が主催した。
 教員を目指す学生が医療的ケアの知識を学ぶ授業を設けている愛媛大大学院教授の樫木暢子さん(52)は講演で「医療的ケアは怖がられ過ぎている。知ろうとし、理解することが欠かせない」と指摘。長野市の公立小で医療的ケアが必要な児童を担任した教員横川しのぶさん(49)は、看護師が入って母親が付き添わなくなった結果、「周囲に意思を伝える喜びや伝わらないもどかしさなど児童本人の感情が成長した。それが自立だと思う」と語った。
 親子の未来を支える会に学校で働ける看護師の紹介を依頼したことがある須坂市教委の担当者も、親の都合によらず「確実に登校できるようになった」と利点を語った。

(11月8日)

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