iPS細胞から免疫細胞づくりを効率化、がん治療へ応用も 京大など技術開発


ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、がん細胞を攻撃できる免疫細胞「T細胞」を効率的に分化・増殖させる技術を開発したと、京都大iPS細胞研究所などが18日発表した。がん免疫療法へのiPS細胞の応用に向けて重要な知見という。英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載される。現状ではヒトiPS細胞からT細胞を分化誘導する過程でマウスの細胞などを使う必要があり、安定した品質確保に向けた課題となっているという。同研究所の金子新教授や入口翔一研究員らは、iPS細胞がT細胞となる過程を分析し、T細胞への分化・増殖を促進する2種の因子を見つけた。マウスの細胞などを使う代わりにこれらの因子を使い、ヒトiPS細胞からT細胞を作ることに成功した。さらに免疫力を強化した「CAR-T細胞」も作製。急性リンパ性白血病のモデルマウスに作製したCAR-T細胞を投与して、治療効果も確認した。金子教授は「iPS細胞からT細胞を大量製造できる技術を開発できた。臨床応用を目指したい」と話した。

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