粉ミルクが牛乳アレルギー防ぐ 母乳と併用OK 沖縄で世界初の効果


生後1カ月から少量の粉ミルクを定期的に摂取することで、牛乳アレルギーの発症を予防できる可能性があることが、県内4病院で生まれた約500人の乳児を対象にした共同研究で明らかになった。研究責任者でハートライフ病院小児科の崎原徹裕部長は「乳児にとって最良の栄養となる母乳を与え続けることができ、粉ミルクの摂取量も少量でいいので実用性が高い」と述べた。同病院が21日、発表した。同病院によると、有病率が高く、小麦や鶏卵に比べ治りにくい牛乳アレルギーの早期予防法で効果を示した研究は世界初。成果は9月、米アレルギー・喘息(ぜんそく)・免疫学会(AAAAI)発行の雑誌に掲載された。研究(スペード試験)は県内4病院で出生した生後5日以内の約500人をランダムに選び、保護者の協力を得て実施。生後1~3カ月に達するまでの約2カ月間、母乳と1日10ミリリットル以上の粉ミルクを摂取する集団(243人)と、母乳のみ(不足時は大豆粉乳)の集団(249人)に分けた。生後6カ月での牛乳アレルギー発症率は、粉ミルクを摂取した集団が0・8%(2人)にとどまったのに対し、摂取しなかった集団は6・8%(17人)で有意な差があった。崎原部長は、経皮によるアレルギー発症を防ぐなどの留意点を挙げた上で「両集団とも生後6カ月の母乳継続率は県平均と同じ約70%で、この予防法が母乳栄養の妨げにならないことも確認できた」とした。試験は同病院、沖縄協同病院、那覇市立病院、琉大病院、あいち小児保健医療総合センターの共同研究。

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