「がんからの生還」コンセプト 重粒子センター、案内表示おおむね完成


山形大(玉手英利学長)と東北芸術工科大(中山ダイスケ学長)が、共同で制作を進めてきた山形大医学部の東日本重粒子センター(山形市)の案内表示(院内サイン)がおおむね完成し、報道関係者向けの説明会が20日、現地で開かれた。「スペースシップ(宇宙船)」をテーマとした医療空間が公開された。来年2月下旬に一部始まる山形大の重粒子線がん治療で患者に安らぎを感じてもらおうと、医学部付属病院の欠畑誠治副病院長と芸工大の原高史グラフィックデザイン学科長が中心となり先端性、未来性などを重視して院内サインづくりに取り組んできた。同センターは治療を効率的に行うため、病院との「接続型」が特徴。病院側からセンターに向かう廊下は赤と白を基調にし、生命誕生から成長、家族をイメージしたほか、生命の根源となるDNAの二重らせんを描き、治療へのアプローチのメッセージを込めた。廊下を渡った先の入り口は「生還へのプロローグ」と位置づけ、スペースシップに見立てたデザインとした。現地説明会に先立ち山形市の同学部で記者会見が開かれ、欠畑副病院長は「最先端医療でがんと戦い、生還がミッションと感じてもらいたい」、原教授は「『がんに打ち勝ち、笑顔で帰る』をコンセプトとした」とそれぞれ強調。玉手学長は「医療と芸術のコラボレーションで、快適な空間をつくり出せたことは重要な意義がある」、中山学長は「患者が心の安らぎを味わってもらえるシーンに参画できてうれしい」とあいさつした。>>山形新聞トップ >>県内ニュース >> 社会

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