災害時医療品、どう備蓄 八幡浜で圏域会議


八幡浜・大洲圏域災害医療対策会議の2020年度第1回会合が1日夜、愛媛県八幡浜支局であった。災害時の医療品備蓄について、地区薬剤師会などと連携し薬の廃棄がほとんど出ない「循環備蓄方式」を県内で初めて採用した愛南町の事例を参考に、関係機関の約50人が意見を交わした。災害時には物資供給が途絶え、必要な医薬品が届かない懸念がある。会合では同町で薬局を経営する管理薬剤師明石博文さん(52)が登壇。町が購入した災害用医薬品を定期的に町内全10薬局の新品と交換し、期限が切れる前に薬局で活用する仕組みを説明した。管理費は「年間約1万円で、非常にリーズナブル」と述べた。冷所保存が必要な薬品の管理など課題も報告。「市町と薬剤師会で協定を結び、発災直後から薬局の在庫を使用できれば備蓄医薬品を補える」と強調した。参加者からは「災害発生時には医薬品を処方できる地域のドクターが必要となる」などの指摘が出た。明石さんは「愛南町でも初動態勢をどうするかが大きな課題」と答えた。備蓄医薬品に関し、管内の自治体からは「検討中」(大洲市、内子町)「購入はしているが循環型には至っていない」(八幡浜市)「救護所用の医薬品は確保済み」(西予市)「21年度当初予算で必要な購入費を要求する方針。愛南の例を参考に具体的な検討を進めたい」(伊方町)などと報告があった。

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