島津製作所は1日、眉や頬といった表情筋の動きなどから、心理状態の解析につなげる感性計測システム「HuME(ヒューム)」を開発し、試用版の社外提供を始めると発表した。使用するデータによって製品やサービスを使用する際の「ワクワク度」なども計測でき、画期的な開発が可能になるという。計測には、筋肉の動きを表す筋電位や、心電、脳波、発汗といった生理信号のほか、画像による瞳孔の大きさなどさまざまなデータが使用できる。市販の脳波計などとも連携可能で、同社が解析用のソフトウエアを開発した。用途によって使うデータは異なるが、解析することで、快、不快の変化や、喜怒哀楽が表れるタイミング、集中、リラックスを生み出す状況が分かり、ゲームや娯楽分野を含め、さまざまな分野の商品開発やサービスの改善に役立てられる。これに合わせ、表情から感情を推定する佐藤弥京都大准教授らの研究を基に、眉や頬に取り付ける筋電位測定機器「感情推定デバイス」を開発。試用版では、企業や研究機関の要望に応じ、ヒュームと同機器、心電信号の測定機器を組み合わせて提供する。今後、利用する中で出てくる要望なども反映し、3年以内の事業化を目指す。