上尾市の上尾中央総合病院は、人間ドックのオプション検診として整形外科的な側面から検査する運動器検診「スポーツ検診」と「腰痛・肩痛検診」を始めた。立ち方や動きの癖などから原因を見つけ、対策を講じる。利用者から「生活の中で気を付けるところが分かってよかった」と喜ばれている。検診を受けると「フォローアップ教室」にも参加できるため、状態の確認やエクササイズが継続できると好評。スポーツ検診は、ウオーキングや筋トレなどを楽しみたいシニア世代から本格的に競技スポーツを行っている人まで対象はさまざま。骨や関節、筋肉、じん帯など運動に関わる器官に対して動きのテストを行い、その中で生じる痛みの有無を検査する。理学療法士が結果を評価し、体の柔らかさや安定性、左右対称かどうかなどについて一人一人に説明する。腰痛・肩痛検診は、普段の生活の中で「腰が痛い」「ひどい肩こりがある」といった症状がある人に対し、痛みの原因を探る。関節の可動範囲や体の動きで評価し、やはり個人個人に合わせたトレーニング法などを理学療法士がアドバイスする。どちらもこれまでの検診と違うのは、結果を知らされるだけではなく、受診者それぞれの体の状態に合わせたエクササイズを体験させたり、日常生活での注意点などを理学療法士が指導するところ。リハビリテーション技術科主任の丸毛達也さんは「痛みが何の由来なのか、どの程度なのかという問題を知ることが大切。その人に合った対処法を見つけて、フィードバックしたい」と話す。肩痛検診を受けた伊奈町の女性(58)は「日常的に前かがみになっていることは知っていたけど、うなずく時に顎を前に出してしまう癖は指摘されて初めて分かった」と驚いた様子。女性は丸毛さんに首の動かし方や頭の位置などを修正できる簡単な運動を教わった。「自分で無意識にやっていたので、指摘されてよかった。私に合う運動をして元に戻せればいいなと思う」と話していた。運動器検診は、いずれも所要時間40分程度で費用は3000円(税別)。「フォローアップ教室」は無料。問い合わせは、上尾中央総合病院健康管理課(電話048・773・1114)へ。