「防災マップ」を点訳・音訳 本紙連載企画を県立点字図書館


県立点字図書館(佐賀市)が、佐賀新聞に掲載された連載企画「10市10町 うちの防災マップ」を点訳・音訳し、県内の図書館利用者約240人に届ける。防災に関する情報を入手する手だてが少ない視覚障害者へ向け、大雨時に地域の危険な箇所を伝え、災害への備えにつなげてもらう。点字図書館では昨年の佐賀豪雨を受け、本年度の取り組みとして防災に関する情報発信に力を入れている。広島県呉市でハザードマップの情報を音声にして作成したことを知り、各自治体が作成しているハザードマップに注目していたが、地図上の絵や写真を読み伝えるのは難しく、「視覚障害者自身が記憶している地図はそれぞれ違うので、危険箇所などの情報を個別に伝えるしかない」(野口幸男館長)と考えていた。そんな折、佐賀新聞で「10市10町 うちの防災マップ」の記事を目にし、「これは活用できる」と利用者への音訳・点訳版の提供を思い立った。連載は7月1~9日に掲載。県内20市町ごとに、担当職員が防災マップで記された危険箇所や被災想定などを解説している。自身も視覚障害があり、今回の点訳を担当した同館職員の城島美幸さんは「耳から入る情報は少なく、災害時には今住んでいる地域がどういう状況か情報が得にくい」と話し、「今回の点訳・音訳版で自宅近くのことを知るきっかけにして、日頃から読んでおいて災害に備えてもらいたい」と呼び掛けた。点訳・音訳版は、8月1日に同館が発行する広報紙「図書館通信」と共に、県内の利用者約240人に届ける。問い合わせは県立点字図書館、電話0952(26)0153。

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