県立がんセンター建て替え 設計は21年度着手に


兵庫県は30日、老朽化した兵庫県立がんセンター(明石市)の建て替え事業について、設計業務を始めるのが予定より1年遅れ、2021年度になることを明らかにした。敷地内の埋蔵文化財に関する調査などの影響で、県が整備基本計画案を見直していることが要因。計画案では24年度の開院を目指しているが、後ろ倒しになる恐れがある。同日の県議会で、公明党・県民会議の伊藤勝正議員(明石市選出)の一般質問に答えた。がんセンターは、明石城跡がある明石公園の約1キロ北西。県によると、埋蔵文化財の発掘による計画変更を避けるため、近く試掘を始める。また、他の病気との合併症患者について近隣医療機関との連携も検討。これらの課題を解決するため、基本計画策定を1年間後ろ倒しした結果、設計への着手が1年遅れたという。新しい計画案には、新型コロナウイルスの感染対策として、入院患者が感染した場合に必要となる陰圧室の整備や、浸水対策として出入り口を1カ所追加することなども盛り込む方針。開業時期について県の担当者は「設計着手の遅れの影響はあるが、当初予定から大幅に遅れないよう工期短縮など知恵を絞りたい」と話した。従来の計画案では、現病院の北側の敷地に8階建ての新病院を建設。病床数は現在の400床を維持し、緩和ケア病床は4床から15床に増やす。内科と外科などの連携を強化し、最先端の医療体制を目指す。(藤井伸哉)

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