大分県はスマートフォンの母子手帳アプリ「母子モ」を活用した子育て支援情報の発信を10月1日から始める。県が設ける子育てに関する相談窓口や独自の給付金、子育て支援制度などの情報を、忙しい子育て世代の親たちが手軽に入手できるようにする。このアプリは、市町村が実施する健診や予防接種などの情報も配信している。利用者は居住地の郵便番号や子どもの出生日を登録することで、子どもの成長に即した子育て情報を、県と自分の住む市町村から受け取ることができる。県に「子育て支援の情報が県民に十分に届いていないのではないか」という県民の声が寄せられていたという。これを受けて、県はホームページなどでの広報に加え、利用者に直接、より効果的に情報を届ける仕組みとしてアプリの導入を決めた。「母子モ」は、アプリ開発会社のエムティーアイ(東京都新宿区)が運営しており、県内では別府市など6市町がすでに導入。10~11月に新たに大分市など9市町村が導入を予定している。全国では約300自治体が導入しており、母子手帳アプリの中では5割強のシェアがあるという。また、県はすでに同社が運営する女性向け健康管理アプリ「ルナルナ」と提携し、妊娠・出産・不妊に関する情報も発信している。県こども未来課の首藤丈彦課長は、「制度を知らず助成金を申請できなかった、というようなことがないように、情報をきちんと対象者に伝えて、子育てしやすい環境をつくっていきたい」と話している。(中沢絢乃)