総合診療医の養成拠点 秋田大病院に誕生


秋田大学は1日、同大医学部付属病院(秋田市広面蓮沼)に、幅広い領域の病気を診る総合診療医を養成する拠点「総合診療医センター」を開所した。今後、東北の日本海側に県境を越えた研修施設のネットワークを構築。高齢化や医師不足に対応した地域医療体制の充実を図る。総合診療医は、特定の臓器や疾患に限定せずに広い視野で診て、必要があれば別の専門医につなぐ役割が期待される。厚生労働省は今年度、こうした総合的な診療能力をもった医師を育てるセンターに経費補助する方針を示し、秋田大を含む全国6大学が指定を受けた。センター長に南谷佳弘・同病院長が、副センター長に総合診療・検査診断学講座を担当する植木重治准教授が就任した。総合診療の指導資格をもつ医師ら4人も所属し、医学部生に対する診療参加型臨床実習や、卒業後の初期臨床研修、専門医研修などを実施。学び直しを希望する地域の医師の支援にもあたる。2日の開所式であいさつした尾野恭一・大学院医学系研究科長は、高齢化が進む秋田県では、医師不足の問題も相まって地域医療の窮状が深刻化していると指摘。「高齢者は複数の疾患をもち、認知症や転倒のリスクなど、診療科の枠を超えた医療体制の整備が必要だ。総合的な診療能力を備えた医師の育成に、医学部を挙げて取り組んでいく」と述べた。(佐藤仁彦)

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