超高齢社会の住環境考える 長泉でがん会議、自治体など事例報告


静岡県立静岡がんセンター(長泉町)と県はこのほど、がん医療の在り方などを考える「静岡がん会議」をオンラインで開いた。「超高齢社会への備え」をテーマに自治体や住宅メーカーなどの関係者12人が登壇し、ファルマバレーセンター(PVC・同町)を中心に進めている「健康長寿と自立支援プロジェクト」の展望や医療介護を軸としたまちづくりの実例などを報告した。
 山口建総長は超高齢社会の課題として「約10年とされる健康寿命と平均寿命の差」を指摘し、健康寿命が尽きても自宅で暮らすことができる「自立支援部屋」の必要性を説いた。がんセンターの患者ケア経験などを生かし、ロボットや人工知能(AI)を備え、介護が容易な間取りとした居住空間を開発中だと説明。来年3月にはモデルルームを提示する考えを示した。
 住宅や福祉機器メーカー社員による講演も行われた。ミサワホームは千葉県浦安市で病院と介護施設、子育て施設などを一体開発し、終末期まで同じ地域で暮らし続けられるまちづくりへの挑戦を報告。積水ハウスはトイレ環境の整備について、ヒートショックを防いだり、介助をしやすくしたりする設計の要点を説明した。

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