病気抱えて働く悩み共有 オンライン情報交換会


病気とともに生きる人の就労を考える「企業と医療と患者をつなぐオンライン情報交換会」が11日夜、開かれた。先天性心疾患のある松本市の会社員猪又竜さん(42)ら県内外の5人が、患者の就職や就労上の悩みを企業経営者と共有しようと企画。全国から約60人が参加し、率直に疑問をぶつけ合った。
 100人に1人の割合で起こるとされる先天性心疾患は早期の手術で患者の9割が20歳を迎えられるようになったが、生涯にわたって医療ケアが必要な場合がある上、はた目に病気と分かりにくい。この日、横浜市立大医学部准教授で看護師の落合亮太さんは「仕事と通院のバランスが取れるか」「(自分は)どこまで無理が利くか」など患者が抱える悩みを紹介。別の病気を抱える患者からも「治療で休職を使い果たし仕事をなくす可能性がある」などの声が上がった。
 経営者らからは「病気が理由で就労を断られた具体的事例を知りたい」との問いや、「障害者を1人雇い、うまくいったので採用を広げた」との実例紹介もあった。
 猪又さんは「障害や症状、状態はさまざま。一方的に患者が会社に配慮を求めたり、会社がそれを決めたりするのではなく一緒に話し合って決めることが肝心」と強調。「立場を超えた話し合いをその意識づくりの一歩にしたい」と期待していた。

(9月13日)

関連記事

ページ上部へ戻る