夜の街にコロナ診療所 広島知事方針、接待店検査促す


新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動の維持へ、広島県の湯崎英彦知事は2日、夜の繁華街に「臨時診療所」を設けると明らかにした。出勤前の飲食店従業員たちの診察やウイルス検査の検体採取をする。クラスター(感染者集団)の発生を予防し、客に安心して夜の街を訪れてもらう狙いがある。県によると、診療所は主に接待を伴う飲食店の従業員たちに利用を促す。風邪の症状があるなど体調が悪い時に出勤前に立ち寄ってもらい、通常の診療をし、必要に応じて検体を採る。空き店舗や集会所を活用して設置する計画で、医師や看護師が詰める。運営は外部に委託する方向だ。設置先は、中四国地方一の歓楽街である広島市中区流川地区などを候補としており、関係機関と協議している。今月中に1日限定で試行して運営上の課題を洗い出し、10月以降の本格運用を目指す。新型コロナでは全国各地の接待を伴う飲食店でクラスターが発生し、中区でも7月に起きた。安心して歓楽街の店を利用してもらい、にぎわいを保つため、訪れやすい診療所の開設を計画したという。中国新聞のインタビューに答えた湯崎知事は「感染者が街で増えた場合は無症状者にも対応するなど、柔軟に取り組みたい」と話した。(岡田浩平)

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