防災ボックスは、3児の母で防災士の資格を持つ西谷友里さん(34)が中心となって作っている。会員制交流サイト(SNS)などで多くの母親と情報交換し、「避難所には食物アレルギー対応食があるのだろうか」「避難所で食事が出されたが、何が入っているのか分からないので食べられなかった」というアレルギーがある子どもの母親の不安を知ったという。
こうした母親に寄り添いたいと「よりそう防災ボックス」と名付け、内容は避難所経験者や医療従事者らの意見も参考にした。ドライカレーやわかめご飯、おにぎりのアレルギー物質27品目不使用の非常食10袋に加え、誤食や食器の取り違えを防ぐために、食器に貼る「アレルギーシール」があるのが特徴。アレルゲンの卵、牛乳・乳製品、小麦を友里さんがかわいらしくデザインした。
周囲にアレルギーの種類や緊急連絡先を伝えるカードも作成し、本人や保護者、子どもの面倒を見る人が持てるよう4枚用意した。首からぶら下げ、薬なども入れられるカードケース付き。ほかに衛生用品や使い捨ての食器も詰めた。
友里さんは「必死に子どもを守っているママの不安と負担を少しでも減らしたい」と話す。今後は障害者用のボックスも企画したいとしている。
価格は6千円。9月1日に同社店舗や直営通販サイトで発売するが、8月28、29日に同市本町2丁目の同社で開く、非常食の試食などが楽しめる防災イベントで先行販売を行う。問い合わせは西谷023(622)5677。