コロナ検査、かかりつけ医でも公費負担へ 北九州市


 新型コロナウイルスの検査を身近なかかりつけ医でも受けられるよう、北九州市は公費負担で検査可能な医療機関を診療所などの小規模施設にも拡充することが23日、分かった。現在の20程度の大規模病院に加え、約200施設でも検査費用の患者負担分を市が全額補助する方針で、1日当たりの検査数は1200件程度増える見通し。

 長崎県内などでもかかりつけ医によるPCR検査拡充が進んでいるが、北九州市は1200件中千件程度は、約30分で結果が分かる抗原検査を想定。一度でインフルエンザ感染も判別できるキットもあり、流行期の秋冬を控え、感染の早期発見、早期抑え込みにつなげる狙いだ。事業費約5億2千万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を9月定例市議会に提案し、9月中にも市医師会と委託契約の締結を目指す。

 市は現在、PCR検査を中心に、市のPCRセンターや委託を受けた20程度の大規模病院で検体を採取しており、1日当たりの検査能力は600件程度。これらの医療機関では、検査費用が1万8千円(検体搬送を伴う場合)のPCR検査、同6千円の抗原検査(厚生労働省承認の検査キット使用)ともに全額公費負担となるが、これ以外の医療機関での検査は保険適用の場合でも1~3割の自己負担が必要となる。 抗原検査は各医療機関で行い、PCR検査は医師が検体を採取した後、民間検査機関へ運ぶ。初診料などを除く検査費用の患者負担分の全額が補助されることになり、検査希望が集中することも考えられるが、症状や感染者との接触状況などを考慮して、医師の判断に応じて検査を行うという。 (山下航、岩谷瞬)

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