診療や服薬指導、オンラインで 仙台市など実証実験


仙台市と市医師会、市薬剤師会はオンラインによる診療、服薬指導の実証実験に取り組んでいる。18日は報道機関に模擬実演が公開され、医師と薬剤師がパソコン画面を通して患者とやりとりした。オンライン医療は高齢者の通院負担の軽減、新型コロナウイルスの感染防止が期待される。市は効果などを検証し、地域医療の課題解決に生かす。 オンライン診療、服薬指導の流れはイラストの通り。患者はスマートフォンなどの専用アプリを利用する。事前に診療予約を入れ、問診票に入力。予約日時に画面を介して担当医師の診察や処方を受ける。 処方箋は医療機関から薬局に送付され、薬剤師と調整した日時に画面を介した服薬指導があり、薬の説明を受ける。薬は原則当日中に配送が手配され、薬局は電話で到着を確認する。 診療費や薬代はクレジット決済、銀行振り込みなどで支払う。後日、医療機関や薬局を訪れた際にまとめ払いする方法もある。 実証実験は7月13日に始まり、来年3月31日まで続く。市内の医療機関8カ所、薬局8カ所が参加し、それぞれの医師をかかりつけ医とする患者40〜80人にオンライン医療を提供する。実験前後に医師、薬剤師、患者にアンケートを実施し、課題などを整理する。 模擬実演は市医師会の安藤健二郎会長が院長を務める「あんどうクリニック」(太白区)と隣の調剤薬局であった。高齢者グループホームと結び、安藤医師が患者役の職員に、事前に渡した検査機器を胸に当てるよう指示し、心音を確かめた。薬局では薬剤師がカメラに向かって処方する薬を示し、1日の服用回数や時間帯などを説明した。 市によると、市内でオンラインや電話の遠隔診療に取り組む医療機関は212カ所。新型コロナ感染拡大を背景に3月末時点の9カ所から急増している。 プロジェクト推進課の谷口尚史課長は「オンライン医療はまだ手探りの段階。高齢化や人口減少が進む地域の医療を支えるために、どういう在り方が望ましいのか探りたい」と語った。

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