新型コロナウイルスの治療に用いられる人工心肺装置「ECMO(エクモ)」などの研修会が9日、京都市上京区の京都府立医科大であった。府内9病院の医師や看護師、臨床工学技士ら医療関係者の40人が参加し、患者への処置やエクモの使い方を再確認した。研修は重症者に必要なエクモなどに対応できる人材を育成する厚生労働省による事業の一環。委託を受けた医師らの有志でつくる「日本COVID-19対策ECMOnet」と日本呼吸療法医学会のメンバーらが講師を務め、全国で行っている。エクモは人工呼吸器での救命が困難な場合に、血管に管を入れて血液を体外に循環させて酸素化して体内に戻す。新型コロナの感染拡大が続く中で、肺炎用のエクモを使える人材育成が急務とされている。研修では中等症から重症になった60代の女性患者を想定し、参加した医師らが診断データを読み取りながら患者に見立てた人形に人工呼吸器を装着するなど処置し、続いてエクモを使った。講師から助言を受けながら、人形の首と脚の付け根周辺の2カ所に管を挿入していた。研修を受けた宇治徳洲会病院(京都府宇治市)の自閑昌彦医師は「これまでの知識が整理され、勉強になった。重症の患者さんを救命できるよう準備を進めたい」と話した。同netのメンバーで府立医大付属病院集中治療部の橋本悟部長は「エクモは最終手段。地域や病院で差がでないように広く医療関係者が活用できるようにしていきたい」と強調した。