第2波に備え、専用病床215に拡充 県方針、検査は1日最大1000件


県内の新型コロナ専用病床は現在、六つの医療機関で計150床が確保されている。このうち重症者は16人を受け入れることが可能だ。人工呼吸器などの装着が必要な重症者や酸素投与を要する中等症者を優先的に治療しているが、無症状者も受け入れてきた。

 県薬務・感染症対策室によると、県内の累計感染者76人と、成田空港検疫所での検査で感染が分かった山形市の30代女性の計77人がこれまで県内の各医療機関に入院しており、現在は県立中央病院で1人が治療を受けている。

 県は先月下旬、第2波を想定し、厚生労働省の基準に沿って感染ピーク時の入院患者数を推計した。県内で最大180人に上り、このうち重症者は26人と見込まれることが分かった。これを受け、県と医療機関などで組織する新型コロナ患者受け入れ調整本部会議で県医師会などと協議し、現行の6病院を含む計8病院で計215床を確保する方針を決めた。うち重症者は25人の受け入れを可能とする考えで、感染の状況に応じて確保する。

 一方、検査体制は、PCR検査の増強策として県衛生研究所(山形市)だけでなく、各保健所や新型コロナ感染症外来にも検査機器を設置するなどし、1日当たりの最大検査件数を200件に増強。同研究所では試薬を変更し検査時間を2、3時間に短縮した。さらに、民間機関へのPCR検査の委託や、30分程度で結果が判明する抗原検査キットを導入した医療機関による検査で、1日300件の検査が可能になっているという。

 加えて開業医などの判断で唾液を検体として採取し、民間機関でPCR検査する方式を近く導入する予定。県は県医師会、各地区医師会と地域の実情に合わせた対応を検討している。これにより、1日当たり最大500件程度を拡充したいとしている。
【特集】人事異動、モバイルで検索

関連記事

ページ上部へ戻る