宮城3病院連携・統合 協議開始を正式発表 知事「年内に一定方向」


宮城県は4日、総合的ながん治療の提供体制の構築に向け、県立がんセンター(名取市、383床)と東北労災病院(仙台市青葉区、548床)、仙台赤十字病院(太白区、389床)の連携、統合に向けた協議を始めると正式に発表した。村井嘉浩知事は県庁で臨時記者会見を開き「年内に一定の方向性を出したい」と述べ、速やかに議論する考えを強調した。 県によると、がんセンターの運営方針を話し合う有識者会議(座長・八重樫伸生東北大医学部長)が2019年12月にまとめた提言を踏まえ、検討を開始。東北大の助言を得ながら進める中で、両病院が構想に関心を持ち、3病院の枠組みが固まった。 連携の具体像について、村井知事は「青写真はない」とした上で(1)病院の統合(2)各病院を維持した上での連携−の両方が想定されると説明した。3病院が協力すれば、高度な治療が必要な合併症などへの対応力が上がり「県民に大きな利益がある」と訴えた。 3病院のうち古い病棟は築27〜38年が経過している点を踏まえ、村井知事は一体的に整備した場合の費用削減効果も示唆。3者にメリットがあるとの趣旨で「『ウィン・ウィン・ウィン』の関係になるようにしたい」と語った。 統合する場合、医療従事者の雇用を課題に挙げ「経営だけを切り取れない。慎重に進める必要がある」と指摘。有識者会議が「アクセスのいい場所」と求めた立地については「方針が決まれば考えていく」と述べるにとどめた。 県地域医療構想との整合性も重視しつつ、県は担当者会議を月内にも始める。県と県立病院機構、東北労災病院を運営する労働者健康安全機構、日本赤十字社の4者が参加し、東北大が助言役を務める。

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