「新型コロナ同時検査」福島県整備へ インフルエンザ流行備え


県は新型コロナウイルス感染症の第2波とインフルエンザの流行期が重なることを想定して、診療所など県内各地の医療機関で新型コロナの抗原検査を実施できる体制を整える。一つの医療機関で新型コロナとインフルエンザの同時検査を可能にすることで、効率的な医療提供体制を構築したい考えだ。県は現在、診療所など各医療機関に実施の意思を確認しており、インフルエンザの流行が始まる秋までに体制を整備する。簡易検査キットを使った抗原検査では15~30分で結果が判明することから、発熱やだるさなどインフルエンザと似た症状の場合でも各医療機関で診断が可能になる。検査キットによっては一つの検体で新型コロナとインフルエンザの二つの検査をできる場合もあるという。抗原検査を実施する医療機関ではPCR検査の検体採取も可能にする。PCR検査は抗原検査に比べて結果が出るまで時間を要する一方で、正しく判定できる確率(感度)が高いとされ、どちらの検査にするかは医師が判断する。現在、新型コロナのPCR検査を実施していない診療所や医療機関で検査を始めることで、患者の受診控えなどが起こることも懸念される。県は院内感染の防止に向けた対策として、インフルエンザの疑いのある患者に対する隔離の手法に近いとして、ある程度は各医療機関の裁量に任せる方針だが、検査を希望する患者が殺到するなどした場合、検査機能を発熱外来に集約するなどの対策も検討する。現在稼働している発熱外来とのすみ分けについては今後詳細を詰める方針で、県は「例年、インフルエンザの患者が来るような医療機関でも、新型コロナの抗原検査を活用できる体制を整えることで(検査を求める)地域の要望に応えたい」(薬務課)としている。

関連記事

ページ上部へ戻る