出産や育児を支援しようと長崎県南島原市は産婦人科・小児科オンライン相談を今月から導入した。スマートフォンを通じて専門家に気軽に無料で相談できる体制を整備。安心して子育てできる環境づくりを目指す。情報通信技術(ICT)を活用したオンライン医療相談サービスを展開しているキッズパブリック(東京)が事業提供。全国計105(同市含む)の自治体がサービスを利用しているが、県内では初めて。登録すれば、メッセージチャットで送った相談に対して原則24時間以内に返信が届く「いつでも相談」や、平日午後6時~同10時(1枠10分の予約制)にチャットや動画通話に対応した「夜間相談」などが利用できる。いずれも無料で、妊娠中の食事や服薬、産後の体調や授乳方法、育児相談など、子どもや妊産婦、女性の健康に関する内容であればどんなことでも受け付ける。雲仙市と南島原市を管轄する南高医師会によると、南島原市内で小児科を掲げる医療機関は4、産婦人科は1のみ。同社によると、過疎地域など地方では小児科や産婦人科の医師が不足しており、すぐに診察を受けられない場合もある。担当者は「病院では聞きにくいことや、『この程度で相談してもいいのか?』と思ったことも気軽に尋ねてほしい」と話している。不正利用防止のため登録時に郵便番号と指定された合言葉の入力が必要。合言葉の周知は、母子手帳交付や乳児相談時、保育所や認定こども園などで行う予定。松本政博市長は「夜間の相談にも対応可能で、安心して子育てを行える環境づくりの一つとして、非常に有効。活用してほしい」としている。