新生活様式 手話動画で 県など、聴覚障害者に紹介


新型コロナウイルス感染症の情報を入手しづらい聴覚障害者のため、県と県聴覚障害者協会は感染を防ぐ「新しい生活様式」を手話や字幕、イラストで伝える動画を作った。県のホームページ=QRコード=で見られるほか、動画を収めたDVDを協会の会員に二百五十枚配った。感染が疑われる際、ファクスで保健所に相談できる態勢も整えている。動画は「基本的な感染対策」「基本的な生活様式」「日常生活の各場面と新しい働き方」の三種類あり、それぞれ四〜六分ある。県と協会によると、障害者手帳を交付されている人は県内に約三千人で、このうち約三割が手話を必要としている。県障害保健福祉課の担当者は「動画はイラストを多く使い、分かりやすさを心掛けた。音声も入れ、誰が見ても対応できるようにした」と話す。県と金沢市は感染疑いの相談窓口で、聴覚障害者向けにファクスで対応する態勢を整えている。さらに、県はメールで事前に連絡があれば、担当職員が手話通訳者を交えてテレビ会議システムで相談に乗る。一方、金沢市は市役所と市内三カ所の福祉健康センター、市立病院の計五カ所にタブレット端末を一台ずつ置き、アプリで遠隔の手話通訳のサービスを提供している。遠隔の手話通訳をより広く利用してもらいたい考えで、市障害福祉課の担当者は「今後はサービスを民間病院の受診時にも広げることが課題」と話している。 (押川恵理子)関連キーワード

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