広島大と北大の研究グループは、冬眠期のツキノワグマの血清にヒトの筋肉細胞量を増強する効果があるとする論文を発表した。冬眠中のクマやリスなどは長期間活動しないのに筋肉が衰えないことで知られているが、研究グループはクマの血液中の特定物質が筋肉の分解を抑制していることも確認した。要因物質が特定されれば、高齢者の寝たきり防止やリハビリへの応用が期待できるという。論文は1月に米国のオンライン科学誌「PLOS ONE」に掲載された。札幌医大出身の広島大大学院の宮崎充功准教授(43)は2013年から、北大大学院獣医学研究院の下鶴倫人准教授(42)らと共同で、冬眠中のクマの筋肉量が減らない要因について研究してきた。秋田県のクマ牧場が飼育するツキノワグマの雌8頭から冬眠期(2月)と活動期(7月)の血液を採取し実験した。【関連記事】⇒<デジタル発>ハンターも惑わすヒグマ 初心者ハンター記者が見た緊迫の捕獲現場⇒旭川・旭山動物園「えぞひぐま館」オープン 人とヒグマ、共生考える場に⇒ヒグマ警報・注意報、出没や人身事故発生時に発令へ 道が運用開始⇒三角山事故を検証 札幌市ヒグマ対策委、安全対策の不備認める 母グマは昨夏にも出没か