障害児の保護者支援の必要性訴え 倉敷のNPO理事長が本発刊


倉敷市を拠点に障害児の保護者を支援する認定NPO法人「ペアレント・サポートすてっぷ」の安藤希代子理事長(50)が、これまでの活動をまとめた「ひとりじゃないよ 倉敷発・居場所づくりから始まる障がい児の保護者支援」(吉備人出版)を発刊した。自閉症の娘の育児経験などを織り交ぜながら、障害児への支援に比べて注目されることが少ない親へのサポートの必要性を訴える。 「すてっぷ」は、発達障害などを抱える子を持つ母親たちが、同じ立場の者同士で支え合おうと2012年に発足した。保護者が立ち寄れるスペースとして、市内の民家を改装して「うさぎカフェ」を開設。週2回開き、来所者の相談や交流の場になっており、年間延べ千人以上が訪れる。 「ひとりじゃないよ」は、「自分のまちでも同じような居場所をつくりたい」と多くの声が寄せられたのを受け、「グループ立ち上げのヒントになれば」と、全6章を書き下ろした。 特別支援学級の保護者会で、行事参加者の顔触れがほぼ同じだった経験から、出てくる余裕がない人にも支援の手を差し伸べたいと活動を始めた経緯や、福祉サービスをまとめたガイドブック作製などこれまでの主要な活動を紹介。団体設立や運営の参考になればと、資金確保や効果的な広報活動など、実務面のアドバイスも盛り込んだ。 安藤理事長は「障害のある子を育てる保護者は多くの不安を感じているのに、支える手は本当に少ない。多くの人に支援の必要性について知ってもらい、保護者の『居場所』が増える助けになればうれしい」と話す。 四六判、254ページ。1650円。全国の書店やインターネット通販で販売している。

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