フィリップス・ジャパン(東京都港区)は18日、呼吸装置治療支援プログラム「ケア オーケストレーター」のサービス対象を拡大、人工呼吸器から患者の治療データを集約し遠隔で治療状況をモニタリングできる機能を追加したと発表した。在宅患者の治療データをもとに、中長期的なトレンドをモニタリングできるようになる。現在、2025年問題に備え在宅医療が促進されており、今後も在宅で治療を受ける患者の増加が見込まれている。一方で、少子高齢化により在宅医療を支える人員確保は大きな課題だ。今回のサービス拡大について、同社は「地域包括医療にかかわる多職種多施設の医療従事者が、効率的に患者をケアできるようサポートすることと、遠隔診療を行う際に人工呼吸器や酸素濃縮器の情報を確認できることで、診療のサポートができるのではと考えた」ことが目的としている。在宅医療をサポートする「ケア オーケストレーター」のソリューションは、(1)遠隔モニタリングの実現(2)ケアチームの構築(3)パーソナライズドケアの提供の3つ。具体的には、在宅で使用する治療機器から転送される膨大なデータを自動的に集約し、医師にとって必要な情報をわかりやすく簡単に手に入れることで遠隔モニタリングへの活用を実現。治療からリハビリテーション、在宅介護まで、患者のケアを継続するための連携体制の構築をサポートする。さらに、患者のニーズに合わせたパーソナライズドケアを提供、より注意が必要な患者にフォーカスした表示設定が可能。これらの情報は施設・患者ごとにタスク管理できるため、治療状況を早く把握できるようサポートする。同社は今回のサービス拡大に加え、ダイキン工業と共同開発を行った情報通信機器を搭載した酸素濃縮器との接続も開始し、今後さらに接続機種を増やす予定だという。機器には、患者の呼吸回数を検知する機能を搭載。特に、これまで治療状況を把握するのが困難だった、COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者の在宅における呼吸状態の把握をサポートしていく。