【独自】70代男性、コロナ感染後「大血管炎」…成人で「世界初」事例


国立国際医療研究センター(東京)は、70歳代の男性が新型コロナウイルスに感染後、大動脈など太い血管に炎症が起きる「大血管炎」を発症したことを明らかにした。小児では感染後、全身の血管に炎症が起きる「川崎病」の発症例がある。同センターは、成人が新型コロナに感染後、大血管炎を起こした事例は、世界で初の報告になるとしている。報告によると、男性は今春、発熱とせきの症状を訴えて入院。新型コロナの感染が確認された。CT(コンピューター断層撮影法)検査などをしたところ、腹部から左右の脚にかけて動脈に炎症を起こしている様子がみられた。男性はこれまでに血管炎を患ったことがなかった。こうしたことから、同センターは新型コロナの感染後の発症と判断した。非ステロイド性抗炎症薬を投与すると熱は下がり、大血管炎は確認されなくなった。同センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「新型コロナに感染して発熱が続く場合は、大人でもこの血管炎の事例のように合併症などを起こしている可能性があり、注意が必要だ」と指摘している。

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