入院患者や医師ら計36人が新型コロナウイルスに院内感染した神戸市立医療センター中央市民病院は7日、原因調査の報告書を公表した。急に強いせきをする患者や密着した介助が必要な患者に対応する際、現場で一般的に使うサージカルマスクでは防ぎきれなかった可能性があるとした。より気密性の高いN95マスクは品薄で頻繁な使用は控えざるを得なかった。報告書によると、入院した感染者を担当した看護師1人が4月9日に検査で陽性と判明。この看護師が発端となって院内感染が拡大したとみられる。同24日までに入院患者7人が感染し、うち3人が死亡。医師や看護師ら職員29人も感染した。最初に感染した看護師は当時の国のガイドラインに沿って防護服やサージカルマスクを着用。強いせきが続くなど患者の症状によってN95を使用した。ただ、マスクを使い分ける判断が難しい場面もあり、サージカルマスクで患者と接した際に感染を防げなかった可能性があるとした。また、院内感染が判明するまで患者にマスクを着用させる対応が不十分だったことも感染拡大の要因として考えられるという。〔共同〕