金沢医科大に賠償命令判決 1100万円、手術後死亡


金沢医科大病院(石川県内灘町)で2015年、同県津幡町の70代男性が肝細胞がんの手術後に大量に出血し死亡したのは、医師間の情報共有がされず処置が遅れたのが原因として、遺族が計約4400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、金沢地裁は30日、医科大に計約1100万円の賠償を命じた。判決理由で、加島滋人裁判長は「男性は手術を受けた後、血圧や酸素飽和度が低下しており、当直医は横隔膜から出血している可能性を認識することができた」と指摘した。その上で当直医が漫然と術後の対処的治療を継続、手術を担当した医師らとの間で情報共有をしなかった結果、出血に対する処置が遅れたと判断。「当直医が注意義務を尽くしていれば、男性は死亡することはなかった」と病院側の過失と死亡の因果関係を認めた。判決によると、男性は15年11月10日、針で肝細胞がんを死滅させる「ラジオ波焼灼術」を受けた。当時研修医だった医師が当直勤務を担当。男性は出血が続き、翌11日に死亡した。その後の解剖で、死因は右横隔膜の損傷による出血性ショックとされた。金沢医科大は「判決文が届いていないのでコメントは差し控える」と述べた。〔共同〕

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