限られた時間、どう生きる 尊厳死描いた映画、名古屋で上映


末期がんを宣告された患者と医師が命と向き合う様子を描いた映画「山中静夫氏の尊厳死」が、名演小劇場(名古屋市東区)で上映されている。村橋明郎監督は「死を前にした人が、限られた時間の中でどう生きたかに重点を置いた作品。自分の生き方を見つめ直すきっかけにもなると思う」と話す。末期の肺がん患者の山中静夫(中村梅雀)は故郷・信州で死にたいと願い、呼吸器内科医の今井俊行(津田寛治)が勤める病院に入院する。外出許可を取って実家近くに墓を建てようとする山中の思いを、今井は支えようと決意する。原作は、医師で作家の南木佳士(なぎけいし)さんの同名の小説。この本を読み、「いつか映画化したい」と村橋監督は考えていたという。余命わずかの男と、患者の死に日々立ち会うなかで心を擦り減らす医師という重くなりがちな設定だが、村橋監督は「暗くならないよう、笑えるシーンを入れた。山中のような死に方ができたら幸せだろうな、という思いを込めた。高齢化が進む今こそ、多くの人に見てもらいたい」と話している。【大野友嘉子】

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