新型コロナウイルスの感染が拡大した今年前半に、看護職員の20.5%が周囲から心無い言葉を掛けられるなど差別や偏見に遭った経験があることが22日、日本看護協会の調査で分かった。
調査は9月、インターネットを通じ看護師や保健師、助産師ら看護職員を対象に実施。3万8479人から回答があり、うち20.5%に当たる7904人が差別や偏見があったと回答した。
差別や偏見があったと回答した人に、内容を複数回答で尋ねると、家族や親族が心無い言葉を言われたのが27.6%、本人が患者から言われたのが19.8%だった。
子どもが通う学校などで親である看護職員が入室を断られたり、地域の店舗や施設に入場を拒まれたりしたのも、それぞれ約4%あった。
記者会見した福井トシ子会長は「大変多い数字。看護師や保健師らは疲労困憊(こんぱい)しており、高い使命感があっても心が折れてしまうと危惧している」として、職務の大変さへの理解や待遇改善などを訴えた。 (C)時事通信社