鳥取大学医学部付属病院(鳥取県米子市)は、他の医療機関からの紹介患者の予約受け付けをネットワーク化した「紹介統合WEBシステム」を導入した。これまではファクスで予約を受け付けており、数日かかっていた初診日の確定がその日のうちに決められる。付属病院によると、ファクスによる予約は、初診日の調整や電子カルテへの手入力など人手にたよっていた。昨年のファクスによる件数は約1万3千件に上っていた。昨年9月から地域医療機関の意見を聞きながら、操作が簡単にできるように開発を進めてきた。WEBシステムは、これまで患者紹介のあった約1千の医療施設を対象にネットワーク化することを目指す。画面上で予約空き状況が表示され、紹介元の医療機関が必要事項を入力して予約することができる。放射線画像や診療情報提供書類も添付できる。予約すると、付属病院側の電子カルテ画面に反映される。患者にも、携帯電話に初診日が通知され、付属病院の患者呼び出しスマートフォンアプリ「とりりんりん」とも連動できる。医療機関との接続は、今年は約500施設を目標にしている。2月からWEBシステムの運用を開始し、38の病院を結んだ。クリニックなどには3月からオンラインで説明会を開いている。ファクスも併用しながら、年内にWEBシステムへの完全移行を目指すという。原田省病院長は「事務作業が大幅に軽減され、患者のメリットも大きい。時間をかけて定着させていきたい」と話している。(大谷秀幸)