山形大医学部の重粒子線、事前治療始動 2月にがん照射、専門外来を開設


PR

googletag.cmd.push(function() { googletag.display(‘div-gpt-ad-1522054439614-0’); });

 東北・北海道で初となる山形大医学部による重粒子線がん治療について、同学部東日本重粒子センター(山形市)は今月、専門外来を開設した。装置の稼働は来年2月だが、照射治療にスムーズに入れるよう診療体制が整えられ、実質的な治療が始まった。現時点では前立腺がんの患者12人が対象で、半年ほどかけホルモン治療などが行われる。

 同センターによると、専門外来では、患者と家族に対し、体の負担を軽減し、安全性を保ちながら腫瘍を死滅させる重粒子の有効性などを説明し、同意を得て治療を進めていく。12人の患者はいずれも、同大付属病院に通院し、県内在住という。定期的な受診に加えて、男性ホルモンを抑制する治療薬の投与などを続け、装置が稼働を始める来年2月下旬から順次、照射治療を受ける予定。

 前立腺がんについては、数分程度の照射が計12回行われ、週4回のペースで3週間にわたり実施する。

 重粒子線の照射治療には2通りあり、固定された角度から腫瘍に照射する水平照射室での治療が先行して来年2月に始まる。もう一つは、肺や肝臓などが対象で、どの角度からでも正確に照射できる回転ガントリーによる治療は来年8月の開始を見込んでいる。

 専門外来では当面、水平照射室で前立腺がんの患者に特化して治療を続ける方針。今後、付属病院の泌尿器科を通じ、県内外の医療関係者によるネットワークを生かしながら、患者の受け入れを進めていく。

 センター長の根本建二同大理事・副学長は山形新聞の取材に対し「専門外来の開設で、照射治療への一歩を踏み出した」とし、「回転ガントリーの稼働後は照射技術の習熟を図りながら、治療範囲を拡大していきたい」としている。

関連記事

ページ上部へ戻る