兵庫県は2021年度、白血病患者らに骨髄を提供するドナーに対し、健康診断や手術などで入院・通院した日を対象に、1日当たり2万円の支給を始める方針を固めた。入院・通院期間に仕事を休む際の賃金補償などに充ててもらい、移植やドナー登録の推進を目指す。支援額は最大20万円(10日)程度とする予定。県によると20年3月末時点で、骨髄移植を待つ県内の希望者は44人。一方、ドナー登録者は18~54歳の計2万495人いるが、19年度中の提供者は45人にとどまった。ドナー候補が見つかった場合でも、仕事が休めない▽時間の都合がつかない-などの理由で、移植に結び付くのは6割程度という。県はこれまで、ドナー登録会を催したり、休暇制度を導入したりした企業に年間10万円の助成をしてきたが、より直接的にドナーを支援するため新制度の導入を決めた。県内では、西宮市に同様の制度があるという。ドナーは数カ月間で10日前後、健康診断▽採血▽同意面談▽手術-などで入院や通院が必要なため、その日数分を補助する。公益財団法人「日本骨髄バンク」の事業で移植を済ませた人らが対象。県は市町と折半する事業費を新年度予算案に盛り込む方針で、事務は市町が担う。血縁関係がない場合の骨髄の適合率は数百人から数万人に1人の確率といい、県の担当者は「既に登録している人の精神、経済的な不安を軽減するとともに、ドナー登録の裾野も広げたい」と話している。(藤井伸哉)