「特発性小脳失調症」で免疫療法の治験 岐阜大病院など


岐阜大学医学部付属病院脳神経内科の下畑享良科長らの研究グループは、指定難病「脊髄(せきずい)小脳変性症」の一つである「特発性小脳失調症(IDCA)」に対する免疫療法の効果や安全性を確認するため、医師主導の治験を始めた。IDCAは神経の病気で、小脳が萎縮して働きが悪くなり、体のふらつきやめまい、しゃべりにくさなどの症状が出る。重症化すると寝たきりになることもある。国内に約6千人の患者がいるとみられる。原因は分からず、治療法も確立されていないという。下畑科長らは2017年から研究をはじめ、IDCA患者の血液中から、健常者には認められない小脳にダメージを与えるような異常な免疫反応(抗体)が出現していることがわかってきた。患者の3人に1人から少なくとも3種類の小脳に対する抗体が見つかったという。今回の試験では、IDCA患者の抗体の有無を調べる。血液中に抗体を持っている患者を対象に、膠原(こうげん)病などの治療に使われている免疫抑制剤「メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム」を点滴し、症状の改善などの効果と副作用などの安全性について調べる。患者には1日1グラム点滴し、3日間続ける免疫療法を2回に分けて実施する。臨床試験は長野県の信州大学医学部付属病院や名古屋大学脳神経内科、国立精神・神経医療研究センターと共同で取り組む、岐阜大病院では今月から患者の受け入れを進めており、30歳以上の患者12人を対象とする。下畑科長は「治験で改善効果が実証されれば、速やかに治療へ移ることができる」と話す。(松永佳伸)

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